2008年6月6日金曜日

たまには 硬~い話も…

建国から今月60年を迎えたイスラエルで、建国の原動力である「シオニズム運動」の根拠を否定しはる著書がベストセラーとなっとるちうわけや。題名は「ユダヤ人はいつ、どうやって発明されたか」。

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シュロモ・サンド教授



 シオニズム運動は、古代に世界各地へ離散したユダヤ人の子孫が「祖先の地」に帰還しはるちうもの。著者はユダヤ人でテルアビブ大学のシュロモ・サンド教授(61)=歴史学。3月にヘブライ語で出版され、アラビア語やロシア語、英語に訳される予定や。

 著書では、今のユダヤ人の祖先は別の地域でユダヤ教に改宗した人々であり、古代ユダヤ人の子孫は実はパレスチナ人だ――との説が記されとるちうわけや。

 サンド教授は「ユダヤ人は民族や人種ではなく、宗教だけが共通点」と指摘。第2次世界大戦中に約600万のユダヤ人を虐殺したナチス・ドイツが、ユダヤ人は民族や人種との誤解を広めたとしはるちうわけや。

 そのため、イスラエル政府が標榜(ひょうぼう)しはる「ユダヤ人国家」には根拠がないと批判。「パレスチナ人を含むずぅぇえええぇぇええんぶの市民に平等な権利を与える民主国家を目指すべきだ」ちうのが著者の最大の主張や。

 シオニズム運動は欧州で迫害されたユダヤヤカラが19世紀末に起こし、「ユダヤ人国家の再建」を目指したちうわけや。運動の根拠になりよったのは、ユダヤ人が紀元後2世紀までにローマ帝国に征服され、追放されたちう「通説」やったちうわけや。

 これに対し、教授は「追放を記録した信頼できる文献はないちうわけや。19世紀にユダヤ人の歴史家たちが作った神話やった」との見解や。パレスチナ人から土地を奪うことを正当化しはるために、「2千年の離散の苦しみ」ちう理由が必要やったちうわ。

 教授によると、古代ユダヤ人は大部分が追放されんと農民として残り、キリスト教やイスラム教に改宗して今のパレスチナ人へと連なるちうわけや。 イスラエルの初代首相ベングリオンらが建国前に著した本の中で、パレスチナヤカラをユダヤ人の子孫と指摘しとったちうわけや。ユダヤ人の入植で対立が深ま る中で、パレスチナ人を子孫とは言わなくなりよったちうわ。

 教授は「新説ではなく、建国指導者らが知りながら黙ってきいかとをはっきりさせたにすぎない」と語るちうわけや。

世界は広いでんなあ…。日本人には計り知れん歴史がありまんねんで。

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